前の日記後の日記

歯科材料のデンタルショーを見学

先週の日曜日、天気はあいにくの雨でしたが、都内にて歯科材料屋さんが主宰する、デンタルショーに参加しました。

新しいユニットやセレック3D、チタン製のタービン、マイクロスコープなど最新の歯科機器にどれも目移りしっぱなしで、会場はセールスマンと歯科医や関係者で、かなりの熱気につつまれていました。そして、今回の私の目的は何といっても歯科CT、複合機(CT撮影やパノラマレントゲン撮影が1台でできるもの)の比較?物色?ひやかし?いえいえ下見です。

現在、歯科治療、特にインプラント治療において歯科CTは欠かせない画像診断装置です。価格も高くまだまだ、高根の花ですが、一昔前に比べるとだいぶコンパクトサイズになり、画質も向上したため開業と同時に歯科CTを導入!!なんて、妄想をふくらましながら、意気揚々と歯科デンタルショーに参加してまいりました。

 

歯科CT ファインキューブ

歯科CTヨシダ近年、歯科CTとパノラマが1台で撮影できる歯科CT複合機が登場するまで、売れまくった小型の歯科CTである。さっそく実機とその画像をチェックしてみた。
まず、撮影は座位で行い、頭部の固定もしっかり行える仕様である。気になる画質であるが、歯や歯槽骨の輪郭もくっきり写っており、なかなかの画質である。とくに注目すべきはボリュームレンダリングの画像と動作の軽快さだ。
しかし、個人的に残念な点があった。CT撮影をおこなうとパノラマも同時に撮影されてしまい、パノラマを撮影するとCT撮影も行ってしまう。つまり、単独撮影ができないのだ。これは…
初診の患者様のパントモ撮影は全員強制CT撮影かい!
とても無理だ…この歯科CTは、ほとんどCT専用機と考えていいだろう。ゆえにFPDで撮影するパノラマの画像は他社と比べるとややランクが落ちてしまう。すでにデジタルパノラマを導入していて、スペースがあれば(資金も)お勧めということだ。
あと、ソフトの起動はいいが撮影後の画像の転送がやたら時間がかかったのが少々気になった。これは、トロフィーパンにも共通した点である。

 

韓国製低価格歯科CT 近畿レントゲン

歯科CT韓国製韓国製激安歯科CT!現在市場にある歯科CTの約半額程度の驚きの安さの歯科CTある、その気になる性能も半分程度か!?
さっそくチェックしてみた、まず重要な画質だが、先ほどまで国産などの高性能歯科CTをみていたため、画像はボヤーとしていることに気がついた。これは1枚の画像を拡大表示するとかなりその傾向が強くなる、しかし遠目で薄めにすると補正がかかりOKである。次に気がついたのは金属などの影響で発生するアーチファクトであるが、これが、かなり画像を乱しているようだ。撮影角度の問題か?ソフトの処理面の問題かわからないが、画質の荒れは目立つ。そして、一番気になってしまったのは、画像のブレである、今回2台のPCで別々の画像をみせて説明をおこなっていたが、一方のサンプル画像はあきらかに画像がぶれてしまっていたのである。このような展示会では通常チャンピオン画像をだしてくるので、どの機種も高画質に見えてしまうのだが左側にあったPCのサンプル画像はあきらかにブレた画像だったのだ、これはモーションアーチファクトといって撮影中に患者様が動いてしまうことによって起きる現象である。
「この画像はブレてますよね?」と業者に聞くと「撮影時間か線量がなんたらかんたら…」
あまりよくわかっていないのか?シラをきっているのか??
ブレた画像をつかって朝から大勢の歯科医に説明を続ける業者、謎だらけである。
ただひとつ考えてられることは、この激安韓国製歯科CTはどうやら撮影時の頭部の固定が貧弱なようである。そのため撮影中に患者様が微妙に動いてしまうと、このような2重画像になってしまうわけだが、もちろん診断価値も無くなってしまう。多量の放射線を被曝させる歯科CTではあってはならないエラーである。
激安といっても、それなりの値であるこれを導入するなら、歯科CTセンターに依頼して高画質な画像をもらったほうがいいかもしれない。

 

ベラビューエポックス3D

歯科CTモリタ製高画質な歯科用CTで定評のあるモリタからでている、オールインワンタイプの歯科用CTである。ついこの前までは、画像の再構成にやたらと時間がかかっていたが、最近はソフトが改善され、動作がよくなったとのことで早速チェックしてみた。
肝心の画像はなかなかであり、なによりよかったのは業者さんの説明がわかりやすいこと、さすがに販売実績があるだけあり、他社製品との違いや3DXとの違いのなど、細かいところまで教えてくれました。これは、先ほどのブレた画像で説明をしていた業者と比べると天と地の差を感じてしまう。
画像、ソフトどちらの面からもオールインワン型CTとしては上のランクだとおもいました
ただ、ひとつ問題があるのはパノラマ、CTから切り替えるときのFPDの取り付けだ。パノラマを撮影する場合、FPDで撮影すると画質が落ちる。つまり、FPDパノラマを採用している近畿レントゲン、ファインキューブはワンランク下のデジパンになる(でも保険請求はできる)。そのため、ベラビューエポック3Dで撮影時にFPDの着脱が必要になるのだ、ちなみにFPDのお値段は2.000万円ほど、これがCT撮影をするたびに、両の手に握られることになる!
2009年8月現在までにモリタさんの調べによると、このFPDを誤って落とし天に召された方は今のところ1名もいないとのことです。ちょっと安心。